こんばんは、ひなせです。
私は子供の頃からファンタジー大好きっ子で、マンガ、アニメ、映画、ゲーム、小説と、いろいろな物語に触れてきました。
それらの物語の中で、やはり目を引くのが「伝説の武器」です。
「ゲーム」の中だと能力が数値化されている事が多いので、強い弱いが分かりやすいのですが、
「神話」や「伝説」の中だと、イマイチどれくらいの強さなのか分からないものも多いです。
・敵対する者に恐怖を与える「ヘルゲの剣」
・持ち主に勝利をもたらす「ティルフィング」
・稲妻のように飛び、遠くに投げても帰ってくる「ミョルニルの鎚」
・一度折れた剣を鍛え直し、復活した「新生グラム」
・持ち主は非業の死を遂げる「テュールの剣」
・山を切り裂き、一振りで部隊を壊滅させる「ファーガスの剣」
・世界を焼き尽くす「レーヴァテイン」
・岩に刺さっていて抜けない「エクスカリバー」
などなど。
特殊能力? のような描かれ方をしているものが多いです。
これは何かを表しているんでしょうか?
大げさすぎる気もするし、創作にしては生々しい感じもする。
物語上の設定にも思えるし、本当にあった出来事を表しているようにも考えられる。
それで、ある時、ふと気付いたんです。
伝説の武器って、「軍隊」のことじゃないですか?
・物語は語り継がれてきた
古来より神話や歴史は、語り部や吟遊詩人と呼ばれる人達が、詩や歌という形で語り継いできました。
神話には過去に元となった物語があり、歴史にはいろいろな伝承が加わっていく。
時には二つの境界が曖昧になり、史実なのか空想なのかも分からなくなる。
リアルとファンタジーが融合する。
人から人へ、言葉を介して繋がっていく訳ですから、
分かりやすく、覚えやすく、面白い物語が生き残ります。
「紀元○○年、◇◇国の王が配下の軍△万名に命じて、■■国の●●の兵★万を打ち破った。これにより▲▲の争いは終結した。この戦により■■国の領地が・・・・・・」といったお話より、
「◆◆王の持つ剣は伝説の☆☆! 倒せる者などあろうか!」
的な話の方が、絶対に聞いていて面白いはずです。
最初の内は、
「◆◆王の剣は、いかなる敵の鎧も貫く!」
とか言って盛り上げていたところを、
「◆◆王の剣は光の剣! 目にした敵は恐怖に打ち震える!」
といった感じになって、
仕舞いには、
「◆◆王の剣は呪われた剣! 悲しき運命!
必勝が約束されるが、ああ、なんたる悲劇!
鞘から抜かれる度に愛する者の血が流れる呪い! おお、神よ! 此度の戦では愛する娘の・・・・・・」
ってなりますよ。たぶん。絶対。
・伝説の武器を、軍隊だと思って見てみると・・・・・・
敵対する者に恐怖を与える「ヘルゲの剣」
分かりやすいですね。強い軍隊なら相手は当然恐怖する。
抑止力としての意味もありますよ、ってことですね。
一度折れた剣を鍛え直し、復活。「新生グラム」
一度戦いに敗れたけど再起した、ということですかね。
普通の剣なら、わざわざ「折れたけど鍛え直したんだよ」なんて言う必要ありませんから。
お話としては熱い展開ですね。錆びた剣を研ぎ直して、とか。
持ち主に勝利をもたらす「ティルフィング」
当たり前と言えば当たり前ですよね。
勝利する側が歴史を語っていくわけですから、
勝った方が「強い武器を持っていた」という話になる。
持ち主は非業の死を遂げる「テュールの剣」
よほど安定した平和な時代で無い限り、統治者が満足して死んでいくことは無いでしょう。
軍隊を持つ身分の人なんですから。
山を切り裂き、一振りで部隊を壊滅させる「ファーガスの剣」
軍隊の進行が不可能と思われていた山間地を進んだとか、敵が考えもしなかった、山側からの奇襲攻撃を行った、という話でしょうか。
一振りで部隊を、ということは、剣を振りかざして「突撃ー!」って命令したってことでしょう。ある意味、一振りで敵を倒している。
所有者の命令が無くとも、自ら戦いに赴く「フレイの魔剣」
待て待て待て。命令くらい待て。
命令を待たずに動く軍隊ってヤベー奴らじゃねーか。
それとも、ある程度の権限を与えられて、動ける人達ってこと?
古い時代で、即時対応力のある軍隊、って意味ならかなり強力ですね。
威力を発揮するのは、持ち主が賢者の場合のみ。同じく「フレイの魔剣」
そりゃーそーだろーよ。
軍隊が力を発揮するのは、ちゃんとした指揮官がいるときです。
よっぽど賢くて、人徳もある人の言うことしか聞かない、って意味ではないですよね。
軍隊の方が上に立つ人を選ぶ、という意味だとクーデターとか下克上ですか。
あれ、上の話と一緒に考えると、有り得る話!?
稲妻のように飛び、遠くに投げても帰ってくる「ミョルニルの鎚」
素晴らしい! 機動力が高くて、命令に忠実。忠誠心も高いという意味ですね。
昔の軍隊なんて、敵を倒すように命じたら、行ったっきり帰ってこない、
もっとひどいのだと敵と一緒になって帰ってきた、なんて話もありますしね。
人間の血を見るまで鞘には戻らない「ダインスレイフ」(ダーインスレイヴとも)
軍隊を動かした以上、何事もない、ということはほぼありえません。
直接的な戦闘がなかったとしても、兵士による略奪などが起こります。
戦争は終わらせる方が難しい、という意味も含んでいるでしょうか。
世界を焼き尽くす「レーヴァテイン」
火は侵略を表しているでしょうから、多くの国を侵略する、あるいは多くの国を巻き込む争いになる、という話ですね。
武器があるから争いになるのか、争いがあるから武器が必要なのか。
最終戦争であるラグナロクで使用される「太陽よりもまぶしい輝きを放つ」とも言われる武器です。
アレのことではないですよね。
岩に刺さっていて抜けない「エクスカリバー」
軍隊はあるけど、動かせる人がいない、後継者がいない、という状態があって、
やっと跡取りが現われた、アーサー王だ、というお話ですね。
それを「岩に刺さって抜けない剣」と詩的に表現した。抜群のセンスです。
湖の妖精からもらい受けたのがエクスカリバーだ、という説もあります。
・日本にも当てはまるかな
天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)
別名:草薙の剣
スサノオがヤマタノオロチ(八岐大蛇)を退治した時に、大蛇の体内から見つけた神剣。
おお、なんか戦争で強大な敵でも倒したのか! と思いきや、
八岐大蛇=川、という説があるんですね・・・・・・。
氾濫の多い川で、堤防の作成などの治水工事を行った=オロチを成敗した、ですね。
川で砂鉄を見つけて、鉄製品を作ったことから、
「大蛇の体内から神剣を見つけた」になったとも言われてます。
また、ヤマトタケルが東征の途上の駿河国で、この神剣によって野火を払ったという言い伝えもあり、
その話から草薙剣(くさなぎのつるぎ)の別名もあります。
これ、上の例で言うと、開墾したとかって意味じゃ・・・・・・。
そうだとすると、日本の場合は軍隊がどう、という話より、
統治者が開拓を行った、と言ったほうが良いかも知れません。
まとめ
どうでしょう、伝説の武器=軍隊説!
強引ですし、日本には当てはまらないですかね。
こんなことを考えながら空想するのも楽しいものです。
いつかまた、ファンタジーに関連する話を書けたらと思います。