ひなせたん 寝る前に考えた

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成果主義の行き詰まりは、評価が抱える矛盾にある

こんばんは、日生 誕(ひなせ たん)です。

 

突然ですが、どうしても会社の評価に納得がいかない場合って、ありますよね。

私の勤める会社でも、成果主義の評価制度が導入されています。

 

私は一つの部門を任されているリーダーなのですが、会社が行う評価に疑問を持っています。いえ、疑問どころか諦めていると言っていいでしょう。

 

成果主義評価の問題点が目に見えて現われているのに、少しも改善されないからです。
今回は、成果主義の問題点について述べたいと思います。

 

結論としては『成果を正しく評価しようとする行為は無駄』です。

 


・成果主義で、なりふり構わず数字を作る為にブラック企業化

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少し前にもブログに書いたのですが、私が勤める会社には、先月30日連続で出勤した社員が存在します。
2019年(令和元年)の時代にですよ。

 

とある不採算店舗のしわ寄せが原因で、折からの人手不足が重なったからではあるのですが、それにしてもおかしな話です。会社に勤めるサラリーマンである店長が、自分の人生を犠牲にしてそこまで会社のために働く必要があるのでしょうか。

 

売上・利益という分かりやすい成果を会社が求め、それが評価(給与)に直結する以上、ブラックな職場環境は容易には無くなりません。なぜなら、本人や上司が結果を出したいが為に、自らが率先して過酷な環境を作り出してしまうからです。

 

人手が足りないなら自分が働く。自分が多く働けば、人件費を削減できる。


経費上でウエイトの大きい人件費を削れるのなら、利益は出やすくなる。

 

形式上は『社員が自主的にサービス残業をした』となります。
それが当たり前になり『長時間労働を行わないと結果が出せない』という環境になってしまいます。

 


・成果主義で、短期的思考とモラルの欠如

 

数字的な結果が評価に直結する以上、その期の経常利益目標・予算目標を達成することが最優先になります。その為、その時だけ数字が作れれば良いという短期的思考と、モラルの欠如が生まれます。

 

・値段を大きく下げて売るべきでは無い商品だけど、今期の数字を作るためだから仕方が無い。
・リアル店舗の在庫をネットで売ってしまったら売り場が枯れてしまうけど、売上のためには仕方が無い。
・この方法は法律的にはグレーだけど、このやり方が一番儲かるんだから仕方が無い。
・本当の数字は悪いけど、良く見せるために粉飾するのは仕方が無い。

 

悪いことさえしなければ、利益が最優先になるのなら会社としては良いのでは、と思うかも知れません。ですが、よく考えてみて下さい。

 

今年は利益が出たけど、次の年からは利益が出なくなった。
会社がこんな状態になっては困ります。

 

会社が最優先にすべきなのは、会社が存続することです。
存続しなければ、仕事を続けることは出来ません。

 


・成果主義では、長期的視野に立てない

 

会社で必要な長期的視野とは、人材の育成と組織としての発展です。

 

短期的思考におちいった社員には、長い目で会社を考えることは出来なくなります。
人を育てるという、最も重要だけれど短期的には成果が出ない仕事は、優先順位が下がります。

 

とにかく必要なのは今期の結果。
新人の成長を待っていたのでは、結果に結びつけられません。
結果が出なければ、皆の評価が下がり、出世や給料にも影響が出ます。

 

とにかく人材育成にかける時間も予算もない。
新人を採用しても、育たず会社を辞めていく。
職場環境に不満はあるけど、誰もそれを良く出来ない。
上司は結果を求め、どんどんパワハラ体質になる。
若い社員が居なくなり、社員の平均年齢が高齢化。

 

こうなると、長期的視野どころか会社の存続が危ぶまれます。

 


・成果主義の会社で、結果を出せない人をどうするのか

 

どのような会社でも、結果を出せない人は出てきます。

 

みんながみんな、数字的な結果を出せるとは限りません。縁の下の力持ちタイプの人だっています。その人に向いた仕事では無い部署にいる場合もありますし、結果を出しにくい環境に置かれることも有り得ます。

 

そういった人達は、会社内で「人より劣っている」かのような扱いを受けるわけですから、肩身の狭い思いをすることになります。また、事務職のように、成果を判断しづらい仕事もあります。

 

こういった人達をどのように評価していくのか。非常に難しい問題です。

 


・成果主義は、正しく評価できなければ機能しない

 

そもそも、成果主義を機能させる為には、正しく評価出来る事が大前提です。

 

目標となる数字の判断を正確に行えるか。結果を判定できるのか。
会社の状況や世を取り巻く時勢を読めるのか。
人を見抜く目はあるのか。

 

そういった総合的な判断が出来る体制が無いと、正しく評価は出来ません。正しく評価するためには、「評価出来る人」を育てないといけない。

 

会社としては、評価するという行為そのものにコストを掛けている訳ですから、言い換えれば利益を減らしている事になります。

 

なりふり構わず数字を作る為にブラック企業化しやすく、
短期的思考とモラルの欠如が生まれ、
長期的視野に立てない人が多くなる中で、
結果を出せない人をどうするのかという問題もはらみつつ、
時間やコストを掛けて、評価出来る人を育てる。

 

無理とは言いませんが、とても難しいですね。
仮に、理想的に正しく評価出来たとして、正しい評価が成果に繋がるとは限りません。

 


・成果主義で、誰が「評価する者」を評価するのか

 

最後の疑問です。成果主義評価の矛盾点です。

 

『社員の成果を評価する人』の評価はどうなるのでしょうか。
社員を正しく評価出来たか、誰が判断するのでしょう?

 

例えば、会社の社長が、
「今期は経常利益が少なかったので、社員の評価を悪く付けた」としたら、「社員に結果を出させることが出来なかった社長の評価も悪い」、となるはずです。

 

そんな評価を付けている会社ってありますか?


また、「結果を出せなかった人の責任はどうなるのか?」という問題が生まれます。成果に関する評価はその人が持つ権限によって、責任の重さが変わるはずですから、「影響力の大きい社長の評価が低く」ならなければおかしいです。

 

ところが、「評価する者」である会社の社長は、ほとんどの人が評価されない立場に居ます。「評価する者」が評価されない会社では、責任は全て社員の評価が下がることに収束するわけですから、これでは成果主義とは言えません。最も責任のあるものが、責任を負わないのですから。

 

つまり、成果主義を正しく機能させようと思ったら、社長も含めた評価体制が構築されて、評価の結果として責任を取るところまでしっかり行わない限り、機能しているとは言えないわけです。

 

そうしないと、「社長の一存で始めた事業が失敗し、それに関わった社員の評価が、『結果が出ないから』といった理由で下げられる」という、訳の分からない評価が生まれる事になります。そこで社員が売上を取ろうと頑張ろうとすると、30日連続出勤という、さらに訳の分からない状態になるわけです。

 

中小企業などで経営者が評価から守られた立場の場合、成果主義は『会社が上手くいっている時は、それっぽく機能しているように感じられる評価制度』というのが結論です。