こんばんは、日生 誕(ひなせ たん)です。
ふとしたきっかけで、子供時代を思い出しました。
小学生の時のことなんですが、放課後に学校で友達と二人で遊んでいて、
「砂場の下はどうなっているのか」
という話になりました。
子供ながらにも、『コンクリートで囲ってあって砂を入れてあるだけ』だと、雨が降ったら大変なことになる、位の想像はつきます。
ただ、排水される仕組みを作ったとしても、上手く作らないと、排水溝に砂が詰まってしまうなどの問題が起こります。
もしかして、シンプルに地面の上に砂が敷いてあるだけ?
どのような作りになっているのか。なにかしらの工夫がなされているのか。
「実際に掘って確かめよう」
気になりだしたら、いてもたってもいられなくなりました。
学校のどこからかシャベルを2本見つけてきて、友達と学校の砂場を掘ることにしました。
●すぐに先生に見つかった
掘り出してから、すぐに先生に見つかりました。
教頭先生だったか、校長先生だったか。記憶は曖昧ですが、担任のように身近な存在ではなく、普段あまり接することのない先生でした。
シャベルを勝手に持ってきているし、穴を掘るのは危ない行為なので怒られるかと思いましたが、
「何をしているんだい?」と、優しく声を掛けられました。
私と友達は素直に、
「砂場の下がどうなっているのか知りたかったので掘っています」
と答えました。
その先生はニコリと笑い、
「それは確かに気になるね」と言いました。
先生も気になるのなら、手伝ってくれるのかなと思いましたが、
「道具はちゃんと元の場所に戻しておくんだよ」
そういって先生は、何事も無かったかのように去って行きました。
●砂場の下の秘密
友達と汗をかきながら、砂を掘り進めました。
小学生ですから体力も無く、金属製のシャベルを振るうだけでも精一杯です。
やがて、砂場の底に到着しました。
「なるほど、こうなっていたのか」
友達と二人で、砂場の下がどうなっているのかを知れてとても嬉しかったです。
その後、お互いの苦労をねぎらい合い、掘った穴を埋め、シャベルを元の場所に戻してから帰りました。
達成感がありました。そして、良い思い出になりました。
●何気なく、それでいて貴重な体験
思い返してみると、本当に良い体験だったと思います。
今の時代、砂場の底がどうなっているのかなんて、検索すれば分かります。
大切なのはソコじゃないですね。
むしろ、「答え」を「検索」するという行為が持つ意味を考えてしまいます。
それに、先生の行動が素晴らしかったからこそ、このような体験ができたのですね。
子供だった私達を尊重してくれた事に感謝です。
先生は何もしませんでした。
そしてそれは、紛れもなく、教育でした。