今週のお題「部活」
こんばんは、日生 誕(ひなせ たん)です。
はてなブログの今週のお題が「部活」だったので、高校時代の部活の思い出を書いてみます。
いやぁー、本当に無茶苦茶な部活でしたよ。
追い込みの時期とか、夜勤がありましたから。高校の部活なのにですよ。
おそらく世界で唯一でしょう。
学校が終わったら一度家に帰って、寝て、夜中の24時に登校。そのまま朝まで部活。
もちろん、学校の先生には内緒です。許されるわけありません。
運動系の部活が健全さの象徴なら、その対極に位置する部活です。
何をやっていたかって?
・・・・・・オタクな部活動です。
当時は今ほど社会に理解されていなかったので、ずいぶんと肩身の狭い思いをした部活です。
もう20年以上前の話ですよ。
・・・・・・。
・・・・・・。
学校の部活でアニメ作ってました!
●8mmフィルムカメラを使って高校生がアニメを作るという無謀
おそらく、高校でアニメを作るのって、今でも珍しいのではと思います。
そもそも、それなりの人物絵を描ける高校生がいない。
その絵を動かす為には、動画として絵を動かす才能が必要。
人物だけでなく、風景を描ける人も欲しい。
また、今ならPCのソフトを使って作画が出来るでしょうが、当時は全て手書きです。出来上がった原画をセルにトレス(上のイラストにあるように、絵の下から光を当てて、輪郭をセル画にペンで書く作業)して、彩色(トレスしたセル画の裏から色を塗る作業)までしないといけない。さらに、アニメーションとして動きのある部分は、全て別のセル画として用意する必要があります。
出来上がったセル画と背景を組み合わせて、やっと一つの絵が出来上がる。
それを、8mmフィルムカメラを使って撮影します。
当時、私達が使用していた8mmフィルムカメラの場合、1秒間が18コマでしたので、単純に言って1秒に18回の撮影が必要になります。無論、フルアニメーションばりにぐりぐり動くアニメなんて作れませんので、「2コマや3コマごとに絵を動かす」といった形になります。
つまり、30分のアニメを作りたい! なんて事を言い出したら、
1秒18コマ
1分1080コマ
30分32400コマ
これだけの時間(コマ数)を埋めるだけの絵を用意しないといけません。
そして、その分の絵を用意するという事は、その分のセル画代やフィルム代が掛かるという事になります。
もちろん、フィルムを現像した後に、編集して、BGM入れて、声をアテレコしてと、映像制作の手間も掛かります。
才能と、時間と、お金がめちゃくちゃ必要なのがアニメ制作なんです。
高校生でやるのは、かなりの無謀です。
そんなこんなで、どうしても文化祭という名の締め切り日に間に合わない時期に、夜中に撮影を強行するという「夜勤」が発生していました。
まあ、それまでずっと遊んでいたのが悪いんですが・・・・・・。
●とにかく、遊んでばかりでした
基本的にオタクの集まりなんで、アニメ制作していない時期はアニメやマンガやゲームの話ばかりしていました。
ナディアはすげーよ、スト2大会やろーぜー! よし、銀英伝見るか、テッカマンブレードの脚本スゴクね? ドラクエ5とFF5どっち派? アフタヌーンの寄生獣と岸和田博士は面白い、ジャイアントロボのOVA見たい、「DAICON 4」いいよね、GOLDEN LUCKYはヤバイ、0083てどうなの? らんまのアニメはバカにできんぞ、やっぱ庵野秀明だよ、オレ意外とアシベ好き、なんだかんだ言ってAKIRAだよ、幽遊白書って女に人気あるの? などなど。
部室にテレビとビデオデッキがあったので、アニメや映画のビデオを鑑賞したり、マンガを持ち込んで読んでたり、ホント、自由にやってました。
でね、なんの準備も出来てないまま、文化祭が近付いてくるわけですよ。
毎年の文化祭で、「その年の新作オリジナル作品を上映するのがこの部の存続理由」みたいなところがありますから。文化祭まであと2ヶ月といった時期になってから、やっとみんな必死になります。まぁ、自業自得ですね。
結果として、追い詰められた状態で作品を制作することになります。
問題点が噴出します。人間的な問題点が。
●アニメ制作は、人間性が表れる
結論を言いますと、あれだけ仲良くオタクトークを繰り広げていた人達でも、人間関係が壊れます。
「一つの作品を、皆で協力して作り上げる」と言えば、聞こえは良いですが、アニメ制作は「時間」「お金」「才能」「人間性」の問題が、モロに形となって表れます。特にこれらの内容の、センス・考え方といった部分に、相容れないモノが表面化します。
言ってしまえば、アニメが「仕事」になってしまって、楽しめなくなるんですね。
制作するまではただのオタクとして、勝手な事を言っていれば良かったのですが、いざ自分が作る側になると、全然思うように出来ない。
その中で、単純に絵が上手い・下手といった能力の差や、仕事として捉えた場合の考え方の違いが出てきてしまう。
「部活なんだから、下手な人でも描くことに意味がある」
という考えの人もいれば、
「もう時間が無いのだから、完成させるのが最優先。上手く早い人が書くべき」
といった考えの人もいる。
当時の私達は未熟で、「どうしても譲れない部分がある」「こんな考え方のヤツとは一緒に制作できない」と思ってしまった結果、部はバラバラになってしまいました。その後、全く会わなくなった友人も居ます。
そして、カメラの故障などの不運も重なり、結果として作品はその年には完成しませんでした。
●おっさんになっても、アニメは好きですよ
まあ、ちょっとだけ苦い思い出になっていますが、アニメは今も好きです。
今期は「ダンベル何キロ持てる?」を見てました。
このブログをきっかけに、当時の仲間と会ってみるのも良いかもしれません。
YouTubeに昔の作品をアップするのも面白いかな?
誰が見るんだ? 身内しか見ねーよ!
いろいろあった部活動ですが、それでもやっぱり、部活=青春なのは、間違いないですね。